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JUNTENDO MEDICAL JOURNAL以前の編集後記でも触れられているように、COVID‑19によるパンデミックの影響は多岐にわたる。論文掲載プロセスへの影響もその一つかと思う。プレプリント(査読前論文)の利用が世界的に広まり、当編集委員会でもその活用について議論が行われた。プレプリントのメリットは、公開されるまでのスピードにある。その反面、専門家による査読を行っていないことによるデメリットが生じる。そのデメリットの一つが、論文の信憑性低下かと思う。査読を行う通常の論文掲載プロセスが行われていても、捏造、改ざん、盗用された論文の発覚が散見される。プレプリントでそれが増加するのだろうか?プレプリントに用いられていた研究デザインで不適切なものはないだろうか?それらの結果次第でプレプリントの今後の評価が方向づけられるのだろうか。少なくとも、プレプリントから情報を得る場合には、その情報の信憑性について、読者自身が判断する能力を身に着ける必要があることは間違いないかと思う。しかし、査読付き論文の信憑性について判断する思考が訓練された研究者にとっては、難しいことではないかもしれない。「論文の価値」を評価することに関しても多くの議論があり、いくつかの指標が出されている。それらの指標にも、メリット(その指標がまちがいなく表している点)とデメリット(その指標だけでは評価することができない価値)があり、我々はそれを理解したうえで、その指標を利用している。世の中に新しいツールが生み出されれば、そのメリットとデメリットを理解し利用することは常時行われている。プレプリントの利用については普及が進んでいるが、その評価についての今後の動向を注目したい。明治8年創刊、日本最古の医学雑誌(順天堂大学HPより引用)に、編集委員として携われる機会を活かし、順天堂大学の歴史、医学の歴史に触れられることは、自身の研究や学部生の教育へもつながるものと感じている。編集委員相川眞範射場敏明大田康江大野直子落合匠金子和夫城山泰彦後藤政実小西清貴櫻井しのぶ髙橋和久谷川武田村好史藤尾祐子毎年冬の季節になると、花屋さんの店頭に並ぶポインセチア。前から一度描きたいと思っていましたが、赤と緑だけしかないので難しいと敬遠していたのです。今日、可愛いミニポインセチアを発見。思い切って、チャレンジしました。(宮道明子) 順天堂醫事雑誌の記事については既に明治8年の創刊号から電子化されており,J-STAGE(科学技術情報発信・流通総合システム)の電子ジャーナル公開システムにおいて閲覧することができます.順天堂医学会のホームページからもご覧いただけますので,ご活用頂ければ幸いです(https://www.juntendo.ac.jp/journal/).「順天堂醫事雑誌」では,医学界の最新知識を紹介するために,特集として総説を毎号に掲載しています.読者の皆様には,特集として相応しい企画等がございましたら,編集室宛にご提案下さいますようお願い申し上げます.596イラスト作者より特集の企画募集〒113-8421 東京都文京区本郷2-1-1 順天堂大学内電話 03-3868-3352 E-mail: jmj@koryo-co.comⒸ The Juntendo Medical Society 2021 Tokyo Japan 発行人 順天堂医学会発行責任者 長 岡   功第67巻 第6号(通刊935)令和3年(2021年)12月31日発行明治8年(1875年)創刊順天堂医学会事務局:電話 03-5802-1586E-mail: j-igaku@juntendo.ac.jp編集・印刷 株式会社 広稜社〒113-0034 東京都文京区湯島2-31-25-4F順天堂醫事雑誌編集室(一財)国際医学情報センター内電話 03-5361-7089 E-mail: jmj@imic.or.jp20211231後藤政実保健医療学部・診療放射線学科編集委員長 長 岡  功古川亮子町田修一松本顕三井田孝美田敏宏三宅幸子山口智史和氣秀文Michael AndreeffRobert S. BresalierYang KeJoel MossRobert F Whittier加藤 俊介桑鶴 良平小林 弘幸長岡 正範初田 真知子平澤 恵理村上 晶(イラスト)宮道明子編集顧問編集後記順天堂醫事雑誌

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